NUMBER

12

TITLE

世界のレシート

世界に実在する、一週間分の家族の食糧。
データや数字からでは読み取れない、
本当の人々の暮らしが見えてきます。

この展示では、独立行政法人 国際協力機構(JICA)の協力により、各国で暮らす実在の家庭の1週間分の食糧をレポートし、種類や量をレシート風に表現しています。

各国の食文化を表すものもあれば、外から知る先入観とは異なる食事の様子を伺うことができます。JICAでは、途上国を中心に食料安全保障や栄養改善等の支援を行っています。


スーダン

名前/ NameInas Ramli
居住地/ CityKhartoum
家族の人数/Number of family members6

スーダンでは豆類がよく食べらており、イナスさんの食事もソラマメ、レンズ豆、白豆、ピーナッツなど、種類豊富。特にソラマメを使ったフールは貧富関係なく全国民に愛されています。

キルギス

名前/ NameAijan Makeshova
居住地/ CityBishkek
家族の人数/Number of family members6

主食は小麦で、副菜としてのジャガイモの消費は世界トップレベルのキルギス。アイジャンさんは日本語教師で、日本人のインターンのために自慢のコメ料理でおもてなししました。

モンゴル

名前/ NamePuntsagsuren Altansukh
居住地/ CityUlaanbaatar
家族の人数/Number of family members3

冬の寒さが厳しく、野菜を育てにくいモンゴル。アンダさん(愛称)は遊牧民の家庭で育ち、独立した今も肉と乳製品が食事の中心です。できるだけ多くの野菜もとるよう心がけています。

メキシコ

名前/ NameAlejandro RIOS
居住地/ CityMexico City
家族の人数/Number of family members2

アレハンドロさんはお料理が得意で、職場の同僚にも振る舞います。メキシコは、トウモロコシ粉のトルティーヤ、食用サボテン、そして動物性たんぱくの摂取が多いことが特徴です。

モザンビーク

名前/ NameEdson Marina
居住地/ CityMaputo
家族の人数/Number of family members5

トウモロコシ粉にお湯を混ぜて練った「シマ」はモザンビークの伝統料理。元々ポルトガル領であったことから、マリーナさんの食事にはポルトガルの調味料も使われています。

ブラジル

名前/ NameNair Yasuko Kihara Kokubu
居住地/ CityBrasilia – Distrito Federal
家族の人数/Number of family members4

ナイルさんは、日本で馴染みのある食品を好んでいますが、一般的には肉類の消費が多いのがブラジルの特徴です。また、キャッサバから作ったタピオカ料理も朝食の定番です。

ブータン

名前/ NameJamyang Phuntso
居住地/ CityTrashigang Dzongkhag
家族の人数/Number of family members4

現代のブータンではお米がなければ食事になりません。唐辛子は食事に欠かせず、スパイスというよりも野菜として多食していることがジャムヤンさん宅の食事にも表れています。

ウクライナ

名前/ NameOlga
居住地/ CityKyiv
家族の人数/Number of family members2

オルガさんは戦禍にある首都キーウ在住。豊かな土壌を有し、野菜の種類も豊富なウクライナですが、乳製品も欠かせません。ボルシチ等スープにもサワークリームが添えられます。

展示ではご紹介しきれていない、その他の国のレシートもご紹介します。

フィリピン

名前/ NameLara Javier
居住地/ CityPhilippines
家族の人数/Number of family members4

主食はお米であり、フィリピンは世界の中でも一人当たりのお米の消費量が多い国の1つです。ララさんの食事からもお米が良く食べられていることが伺えますが、レストランではごはんがお代わりできる、アンリミテッドライスというメニューがあったりします。お米を主食、おかずに焼きそばという組み合わせにもよく出会います。ご飯のおかずとして食卓によく並ぶものとして、コーンビーフやイワシなどの缶づめやウィンナーなどの加工肉があります。ご飯やおかずは大皿に並び、自分のプレートに取り分けて食べるスタイルが一般的です。

ウズベキスタン

名前/ NameHasanov Odilhon
居住地/ CityUzbekistan
家族の人数/Number of family members6

ウズベキスタンは古くはシルクロードの要所で、文化が入り混じった豊かな食文化が発達しました。ウズベキスタン料理は周辺の国にも影響を与えています。ウズベキスタンの一番の主食は小麦で、パン、麺、生地に成型して食されています。次に食べられているのは米で、特に祝い飯であるプロフは、シルクロードを伝って広い地域で食べられています。近年は健康志向から米の消費が進んだ結果、プロフの消費も増えているそうです。レポートいただいたハサノフさんはプロフが好物で、普段の食卓にも欠かせません。

ボリビア

名前/ NameRamiro FLORES
居住地/ CityBolivia
家族の人数/Number of family members4

ボリビアはトロピカルな気候の平地から、寒い高地まで様々な気候の地域があり、そのため多くの種類の果物や野菜が育つ環境にあり、これら食品の摂取も多いことが報告されています。また宗教的な食の制限もなく、ラミロさんの食の多様性の豊かさにつながっているのかもしれません。ソパデマニ(ピーナッツスープ)はボリビアならではの料理で、生ピーナッツのクリーミーさと、お肉の風味から成るインパクトのある味わいが絶妙にマッチした、ボリビアの方のみならず、現地で生活する日本人にも愛される人気の一品です。ラミロさんの食事に魚類が出てこないのもボリビアが内陸国である特徴を反映しているかもしれません。

エジプト

名前/ NameSara Nasr
居住地/ CityEgypt
家族の人数/Number of family members5

砂漠のピラミッドのイメージが強いエジプトですが、「ナイルの賜物」と呼ばれる肥沃な大地で、様々な種類の野菜や果物が育てられています。また、ナイル川の水を使った養殖も盛んです。エジプトでは主食である小麦、米の消費量が多く、その付け合わせとして様々な大皿料理を家族で囲みます。食事には、必ずと言って良いほど生野菜やピクルスが出されます。様々な豆を料理するのもエジプト料理の特徴で、空豆、レンズ豆、ヒヨコ豆が多く食べられます。サラさんのお気に入りは白花豆です。

Collaboration
取材協力:独立行政法人 国際協力機構(JICA)

音声ガイドナレーター:宇賀なつみ