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未来を見つめる鮨屋
NUMBER
13
TITLE
未来を見つめる鮨屋

鮨職人 × フードテクノロジー
伝統と革新が融合することで、
食の未来が見えてきます。
今年100歳を迎える鮨職人・小野二郎氏が、品種改良技術や養殖技術によって育てられた未来の魚を握るー
地球規模の海温上昇によって漁獲環境が大きく変わっていく中、ずっと美味しい魚を食べ続けたいという思いは、伝統を守る鮨職人も、未来をつくる技術者も、そして、それをいただくわたしたちも同じです。
江戸前の鮨文化を代表する「すきやばし次郎」創業者・小野二郎氏。普段は天然の魚しか扱わないという「すきやばし次郎」ですが、今回、「伝統技術と最新技術の融合を象徴するコンセプト展示」として、特別に小野二郎氏に養殖魚をネタとして握っていただきました。見た目には分かりませんが、ここで握られている魚は、全て養殖技術や品種改良技術によって生まれた食材です。
「現在(いま)は養殖より天然の方が美味しいから、天然の魚を握ります。しかし、漁獲量が減ったり、良質な魚が獲りづらい環境の中で鮨の未来を考えた時に、国や人々が海の資源を守ることや新しい技術にも目を向け、職人もまた努力をしなければならなりません」と小野二郎氏は話されています。
小野二郎氏は、つい数ヶ月前まで現役で板場に立たれていました。そして、2025年10月27日に100歳を迎えられます。
「海がどんどん変わってきています。旬もずれてますから、そのときに旨いものを出さないとなりません。これからの職人は、ちゃんと考えて、より一層の努力をして味を仕上 げなくてはならないから大変です。世界中の国々と人々が、海洋資源を守っていくことが大切だと思います。」
小野二郎
Collaboration
撮影協力 : 小野二郎(鮨職人、すきやばし次郎 創業者)、小野禎一(鮨職人、すきやばし次郎)
技術協力 : リージョナルフィッシュ株式会社